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中小企業のAI活用で押さえるべき5つのポイントを解説! 【基礎知識編・AI活用事例付き】

最終更新日:2024.05.26

SU

公認会計士 / AI dog CTO

suuu

中小企業のAI活用で押さえるべき5つのポイントを解説! 【基礎知識編・AI活用事例付き】

本記事では、中小企業がAIを活用する際に押さえるべき5つのポイントを解説します。

こんな方におすすめ

  • 中小企業でAI活用を検討している経営者や担当者の方
  • AIについての基礎知識を知りたい方
  • AI活用のポイントや注意点を理解したい方

近年、AIの急速な発展により、大企業だけでなく中小企業でもAI活用が広がりつつあります。しかし、AIについての知識不足や、活用方法がわからないなどの理由から、なかなか踏み出せない企業も多いのが現状です。

そこで本記事では、中小企業がAI活用を進める際に押さえるべき5つのポイントを解説します。AIについての基礎知識や具体的な活用方法、注意点などをわかりやすく説明するので、これからAI活用を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1.自社の課題を明確化する

AIを活用する前に、まずは自社の課題を明確にすることが重要です。漠然とAIを導入しても、効果的な活用はできません。

課題の洗い出しには、現場の従業員の意見を聞くのも有効です。日々の業務の中で感じている問題点や要望をヒアリングすることで、より具体的な課題が見えてくるはずです。

2.AIの基礎知識を身につける

次に押さえておきたいのが、AIについての基礎知識です。AIと一口に言っても、その定義は広く、種類も多岐にわたります。

AIとは何か

AIとは「人工知能(Artificial Intelligence)」の略称で、人間のような知的な処理をコンピューターで実現する技術のことを指します。

大量のデータから特徴やパターンを学習し、新しいデータに対して適切な判断をしたり、未来を予測したりできるのがAIの大きな特長です。

AIの得意領域は、「データを整理すること」、及び、「データから仮説を立てること」です。AI活用の上では、このことを抑えておくのが大事なポイントになります。

AIの種類

AIには大きく分けて2つの種類があります。

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1つは「特化型AI」。特定の用途に特化して開発されたAIのことで、例えば顔認証や音声認識、自然言語処理などが代表的です。BtoBの業務では、OCRによる文字起こしや、チャットボットなどの活用が進んでいます。

もう1つは「汎用型AI(AGI)」。特定の用途に限定されない、より高度な判断や多様な問題解決ができるAIのことを指します。汎用型AIはまだ研究段階で、実用化にはまだ時間がかかりそうですが、ビジネスを大きく変える可能性を秘めています。OpenAI社などが特に力を入れていて、2024〜2025年中には初期段階が完成するのではないかと言われています。

AIの活用事例

ここでは、AI dogが実際に実践したAI活用事例をいくつか紹介します。

メディア企業における活用事例

過去にAI dogが支援したメディア企業は、編集者自身が取材を行い、その情報をもとにして記事を作成していたため、編集者の人数によって記事の最大制作数に制約があり、成長速度が伸びにくい状況にありました。

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そこで、AI dogでは、①取材をAIに行わせる(深掘りの質問もAIに考えさせる)、②取材をもとに記事をAIで制作する、③AIが作成した記事をもとに、編集者が修正を行い、記事を公開するという業務フローに改善し、1人当たりの記事作成可能数を大幅に向上させることができました。

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営業会社における活用事例

過去にAI dogが支援した営業代行会社は、代行を委託された会社の事業の勘所を理解し、リード顧客へのヒアリングを通じて最適な提案をすることを、個々の経験値をもとに行なっており、社内の人材教育面で課題を抱えていました。

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そこで、AI dogでは、①代行を委託された会社の事業内容をAIに学習させ、②顧客の課題や予算などを入力するとAIが最適な提案内容を作成してくれるツールを作成し、経験の浅い社員の営業の成約確率を大幅に向上させることができました。

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3.自社に適したAIツールを選定する

次は、自社の課題解決に適したAIツールを選定する方法について解説します。

目的に合ったAIツールの選び方

AIツールは用途によって様々な種類があり、自社の課題に合ったものを選ぶことが肝心です。

選定の際は、以下のようなポイントを確認しましょう。

  • 初期費用や運用コストが予算内か
  • 自社のシステムとの連携が可能か
  • 導入サポートや保守体制は充実しているか
  • 実績やレビューから製品の評判はどうか
  • トライアルで実際に使ってみてUIやレスポンスに問題ないか

総合的に判断して、コストパフォーマンスの高いツールを選ぶことが重要です。

代表的なAIツールの紹介

ここでは、中小企業に使いやすいAIツールをいくつか紹介します。

Dify

AIを使用した簡易ソリューション(社内の知見をAIに学習させ、社員のみが使えるチャットボットを構築するなど)を誰もが作成できるようになるツールです。

クラウド版・セルフホスティング版があり、価格柔軟性も高く、また開発も活発なため、どの企業においても活用のしやすいツールです。

Dify

https://dify.ai/jp

Gamma

目次を入力するだけで、AIがプレゼンテーション資料を作成してくれる資料作成AIツールです。

目次の作成を他の生成AIで行った後、目次に沿って資料作成をGammaで行えば、30分以内にプレゼンテーション資料を作れることでしょう。また、資料作成ツールとしての評価も高く、動画の埋め込みや他のサイトへの接続、Notionとの連携など、ツールとして必要な機能も備えているため、使いやすいでしょう。

Gamma

https://gamma.app/?lng=ja

4.社内の体制づくりを行う

AIツールを選定したら、導入に向けた社内の体制づくりを行います。

経営層の理解と支援を得る

まずは経営層のAIに対する理解を深め、導入への支援を得ることが何より重要です。

経営層向けにAIについての勉強会を開催したり、AI活用の成功事例を共有したり、先進企業の見学に行ったりするのも効果的でしょう。経営層の理解と後押しがなければ、AIの導入は進みません。

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担当者の選任とスキルアップ

AIプロジェクトの中心となる担当者を選任し、AIについての知識やスキルを身につけてもらうことも必要です。

外部の研修に参加したり、オンラインの学習教材を利用したり、AIベンダーに教育してもらったりする方法があります。社内のAIリテラシーを高め、活用をリードできる人材を育成しましょう。

従業員への教育と意識改革

AI導入が決まったら、全従業員に対してAIの基礎知識や活用目的を説明し、理解を促す必要があります。

導入の目的や、業務がどう変わるのか、スキルアップが必要な部分は何かなど、丁寧に伝えることが重要です。AIを脅威と捉えるのではなく、業務効率化や付加価値向上のためのツールと捉えられるよう、意識改革を図ることが大切です。

5.PDCAサイクルを回して改善する

いよいよAIツールを導入したら、PDCAサイクルを回して継続的な改善を行います。

小さく始めて効果を検証する

最初はできるだけ小さな範囲から始め、実際の効果を検証するのがおすすめです。

全社一斉導入ではなく、特定の部門や業務で試行錯誤しながら進め、軌道に乗ったら徐々に適用範囲を広げていくのが賢明です。無理のないペースで課題をクリアしながら進めることが肝心と言えます。

数値化して評価・改善する

AIツールの効果を定期的に評価し、改善につなげるためには数値化が重要です。

例えば、業務時間の削減率や、顧客満足度の変化など、可能な限り定量的な指標を設定し、継続的にモニタリングしましょう。効果が不十分な場合は設定を見直すなど、トライ&エラーを繰り返すことが必要です。

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他部門への展開を検討する

一つの部門でAI活用の成果が出たら、他部門への展開も検討しましょう。

AIのノウハウを社内で共有し、優先順位の高い課題から横展開することで、会社全体のAI活用を加速させることができます。将来的には、AIを活用した新規事業創出など、より戦略的な取り組みにつなげていくのも視野に入るでしょう。

6.まとめ

本記事では、中小企業のAI活用で押さえるべき5つのポイントを解説しました。

AIは中小企業の課題解決や付加価値向上に大いに貢献する可能性がありますが、基礎知識を身につけ、自社に合ったツールを選び、地道にPDCAを回していくことが成功の鍵と言えます。

本記事をきっかけに、より多くの中小企業がAIの力を活用し、めまぐるしく変わる経営環境を生き抜いていただければ幸いです。

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